中国人民銀、預金準備率引き下げで流動性確保
中国の中央銀行/PBOCが預金準備率を0.5%ポイントの引き下げを発表したが、これにより6,800億人民元以上の資金が放出されると推定される。
ここ数週間、市場ではPBOCが旧正月に利下げを行う、もしくは利下げを行うと予想されてきたので、今回の利下げに市場は驚きはなかった。数日前に公式発表された製造業PMIは50を下回り、中小企業が困難に直面しているだけでなく、大企業の業況も悪化していることを反映されたほか、年初は企業の借入のピークであり、今後の新規株式上場や中央政府が以前に承認したインフラプロジェクトを確実に立ち上げる必要があることも相まって、中央銀行による預金準備率の引き下げは実際のニーズによるものなのだ。
リーマンショック以降、世界中に資本があふれ供給に不足がなく流動性確保されているにもかかわらず、中国本土の経済は衰退の一途をたどっており、現在の中国経済の問題は「放水(金融緩和と財政出動)」では解決できないことを表している。 本土では、格下げの効果を左右する条件として、第1に銀行が貸し出す意思があるかどうか、第2に企業や個人に借り入れの必要性があるかどうか、という2つの条件がある。
景気が低迷する中、近年、銀行は貸出リスクを抑制するために全般的に融資に慎重になっており、企業や個人も景気の悪さから借り入れ意欲が低下している。状況が改善されなければ、銀行の資金が増えても景気は良くならない 中国経済の苦境を打開する鍵は、やはり改革の成功にある。
昨年2014年11月、中国銀行が突然の利下げを行い、中国と香港の株式市場が急上昇したが、次の利下げは2つの株式市場に一時的な刺激を与えただけで、A株は引けてしまい、投資家は失望感を味わったのではないだろうか。