出来高で判断する香港株式
「放水」(金融緩和)の継続を中国人民銀行(中央銀行)に期待してい状況で、ハンセン指数は22日に23,600の上値レジダンスラインを突破、出来高も上げ700億香港ドルを上回った。
トレンドから見て、ハンセン指数は今後も上昇し24,100を試みるはずだが、今後は出来高との足並みが揃うかどうかに注目すべきだ。
今回の取引総額が700億元を上回ったとはいえ、多くの踏み上げ(空売後の損切買戻し)の動きが関連していると見られる。もし今後も700億元以上の取引額を維持できた場合は、株式市場への資金流入が反映されているという事になる。
しかし相反して、出来高不振で400~500億香港ドルの水準へ反落した場合、22日の急騰が踏み上げとの関連性が高い事を裏付けるため、牽引力が不足する状況で、今後は再び膠着状態に陥ると見られる。
全人代とセントラル占拠
間もなく決算発表期に入る香港の株式市場のため、企業の業績如何が香港株式市場のこの先数週間の注目点となろはずだ。つまり、香港株が継続して上方トレンドを維持できるかいなか、インデックス採用銘柄の業績が重要な要因の一つとなるはずだ。
14日の週では、すでに個別で決算発表を行った企業の銘柄において高騰が始まっており、仮に決算発表前に割高となっている銘柄を保有している場合、業績の良し悪しに関わらず、決算発表後に利食い売りが出てくることに注意が必要だ。このほか、政治的要因も軽視できない。全国人民代表大会(全人代)は8月に「改政第二部曲」(香港基本法改正の第二段階)を始動すると見られており、全人代の決議が「セントラル占拠行動」を誘発するか否かは依然として未知数だ。「セントラル占拠行動」への懸念に伴い香港株式市場の上昇相場は圧力を受ける可能性がある。
香港ドル為替と株式市場
香港ドル高を受け香港当局が今月上旬、相次いで為替介入を行いハンセン指数は1月の最高値を突破。誰もが香港株の続伸を予想したが、株式相場は重く、取引総額は更に減少し600億香港ドルに届かず。
最近では、香港ドル高がわずかに緩和し、投資家達から香港株に利食い売り圧力が現れると予想される中で、ハンセン指数が出来高急増で23,600突破となっている。香港株と香港ドルの相場では相反する動きが見られ、従来の経験則に沿って投資判断を決定していたとするとを失敗していたと言えよう。マーケットには重大な好悪材料が見当たらず、機関投資家はしばしば個人投資家の心理状態と睨み合う事となる。