ヨーロッパのQE実施
ユーロ圏では昨年下半期より低インフレが問題となっていることから、市場全体が大規模な景気刺激策の打ち出しに期待を寄せている。最新データでは、4月の欧州インフレ率は0.7%と予想の0.8%より低いものの、3月の0.5%と比べるとやや上昇が見られる。ECB(欧州中央銀行)のドラギ総裁はこの先も低インフレが長期化する見通しであることを認めているが、ユーロ圏ではまだデフレリスクが見られないとし、近い将来において大規模な量的緩和政策(QE)を実施する可能性はないと表明している。先日発表された経済指標では、ユーロ圏の景況感指数及びPMI指数はいずれも予想を上回ったことから、欧州の景気回復が加速していることが明らかとなり、ドイツ株式指数はサポートを受けて穏やかに上昇、9,600ポイントの水準まで反発となった。
NYダウ工業株30種
上場企業の業績発表時期となり、IT関連企業の第1四半期の業績は総じて増収となり予想を上回った。しかし投資家心理は今なお冷え込みが続き、今後もIT関連銘柄の重しとなろう。米FRBのFOMC後、QE規模の縮小ペース維持を決定した上で、米国の経済情況はすでに好転し、雇用市場の改善も続く見通しであると発表。これを受けて市場の意欲が刺激され、ダウ指数は大引けで史上最高値を更新、4月の下落分を回復した。ダウ指数は20日移動平均線の強力なサポートを受け、この先も上昇余地があると予想される。
上海総合指数
IPO再開観測の影響を受け、A株は続落。上海総合指数は一度2,000の重要ポイントを下回ったものの、その後主力資金のサポートを受けて2,000ポイント以上を堅調に回復。メーデー前に指数は小幅反発、悪材料はすでに消化されたものと見られる。上海総合指数は今年に入ってから何度も2,000ポイント近くで底値を探っており、今回の調整で底値が確立されれば、連休後の投資家復帰で、市場に反発の動きが出ると予想されるものの、平均線付近ではある程度抵抗があろう。