人民元続落で上海株も下落
人民元相場が対ドルで珍しく7日続落。中国市場からの資金流出が懸念され、数年来の強い人民元相場が一変している。年明けから人民元はすでに1.2%下落しており、ここ半年の最低水準となっている。加えて、中央銀行は人民元の取引規制緩和を行う予定で、短期で人民元相場の変動が激化すると見られる。しかし全体的な方向としては、人民元は依然市場において比較的強いトレンドとなっているため、人民元の下落幅が有限である可能性が高く、今後は緩やかな上昇を維持すると見られる。
上海総合指数
人民元の続落に加え、中国中央銀行が更なる市場の余剰資金を吸い上げるべく、市場から再び1000億元の資金吸収を行い、市場流動性が一層引き締まっている。上海株式市場はこの引締めが弱気材料となり、先週の高値2177ポイントから2030ポイントの水準へ下落、下落幅は7%近くとなった。中でも、中国本土銀行や不動産セクターの下落幅がやや大きく、株式市場が弱含みから抜け出すのは難しいと見られ、A株相場は再び1月の低水準となる2000ポイントのサポート水準を試みると予想。
オーストラリアASX 指数
2月以降豪州の株式市場は著しい上昇となった。すでに昨年10月末の高値(5453ポイント)を突破しており、最高値を更新、アジア地区でもっとも好調なパフォーマンスとなっている。しかし、最近の豪ドルの動きはやや定まらず。中央銀行が短期で利息引下げを行わないとする声明を発表し、豪ドルが刺激され反発。しかし、投資家による豪ドル空売りの傾向が見られ、豪ドル高への流れを阻んでいる。豪ドルの下落に底打ちが未だ見られない為、オーストラリアの株式市場への投資は、豪ドル安が株価上昇で得た利益を蚕食してしまう可能性に留意。