世界経済は回復基調
ハト派とされるイエレン氏が次期FRB議長として正式に指名され、来年2月に就任することになった
。市場予測では、バーナンキ現議長の退任前に市場を大幅に揺るがすような措置が実施される可能性は低い、つまり、短期において債券購入規模縮小の可能性は低いと見られている。加えて米国議会では与野党による予算案での争いが続くと見られ、先週米国の緩和策撤退実施が先延ばしになるとの予想を受けて、世界の新興国市場が牽引された。
多くの経済データが株価上昇を刺激する好材料となる中、インドネシアとインドの株式市場及び為替市場も先週は好調。インドネシアの9月の消費者信頼感指数(IKK)は前月比0.8増の89.6へ、外貨準備高も先月から2.9%増、加えてインドネシア中央銀行は政策金利7.25%を維持している。
これを受けて、投資家の取引が刺激され、一週間の上昇幅は2.9%を記録。このほか、インドは9月の自動車販売数が16.8%増の156,018台に、加えて、国債利回りが前月9.57%から8.86%へ低下、インドの株式市場上昇を牽引し、週間上昇幅が3.07%を記録した。
第3四半期における世界のPMI指数では、欧州、米国及び中国の主要な経済体系を含む制造業PMI が継続的な回復を見せている。加えて欧米のサービス業PMIもここ数年の高水準を維持しており、企業の見通しが強化され資出意欲が増加していることが表れている。このほか、第3四半期の欧州及び中国の消費者信頼感指数も低水準からの反発が始まっており、米国の消費者信頼感指数もここ5年の高水準を維持している。消費者及び企業による市場の先行き見通しが一致していることが反映されており、株式市場にとって好材料となるシグナルと言えるだろう。
さて、ここ一週間で比較的注目されているセクターについてですが、米国の製薬会社Ariadが製造する薬品に安全基準越えが判明し、株価が75%以上もの大暴落となった。多くの投資家がこのニュースが同業他社に影響する可能性を懸念し、生物科学技術セクターを投げ売りし一週間で7.24%の下落幅に。ただし、長期投資家にとって、これはかえって好機となる。
これまでの歴史に基けば、一企業の短期的かつ構造的な悪材料は、短期的恐慌性の投げ売りを引き起こすが、その後有能な投資家が押し目買いをし、この株式が合理的価値を回復するのを静かに待つのだ。近年の比較的著しい例では、HSBCがこれに該当する。
IT業界の面では、世界最大の検索エンジンGoogleが、モバイルOSのAndroidユーザー数を著しく拡大。Googleの 2013年第2四半期の利益は全年同期比15.9%増に、加えて広告収入も前年同期比19.4%増で、Googleの収益は今後も成長すると予測される。
そして、Apple Inc.ではiPhone 5cと5sが発売開始3日間で900万台が販売され、例年トップとなっています。加えて、Samsungでも第3四半期の利益が25%増と見られ、また新発売の最新機種Note 3の売れ行きも悪くはない。以上の各データはいずれもIT関連セクター上昇の好材料となる。