第4四半期の投資見通し
2013年第3四半期、世界の経済成長の原動力は主に先進国市場(Developed Markets)からもたらされた。特に米国と欧州の好調な経済データは回復の兆しを反映し、過去3期に渡る株式市場のパフォーマンスが債券を上回った。
確かに最近では欧米の株式市場がやや大きく変動していることや、米FRBが債券購入規模の縮小にまだ踏み切っていないことを含め、米国議会が期限前に予算案を採択できずに米国政府17年来となる政府機関の一時閉鎖にまで及んでしまっていること、またドイツの大統領総選挙が、市場の不確定要素を増加させているのが主な理由だ。しかし、第4四半期の展望では、先進国市場は債券及び新興国と比べて、より価値のある投資市場と言えるだろう。
米国経済には回復成長のシグナルが見てとれ米ISM製造業PMIは4カ月連続で上昇しており、9月には更に55.7へ上昇、ここ2年の最高値を更新。また、次期FRB議長にイエレン氏が指名されたこともこの先短期で株式市場を牽引すると見られる。
今年中頃から、米国のほか欧州経済もまた著しく回復基調でドイツとフランスが経済を牽引する中、ユーロ圏は第2四半期に経済成長0.3%増となり、6期に渡る経済縮小局面がストップした。ユーロ圏は8月製造業PMIが51.4へ急上昇し、7月のデータを0.9ポイント上回った。
過去6~12カ月で、欧米のPMIは別々に上昇していることから、欧州株式市場では各銘柄のEPSの伸び率が底打ちとなる可能性が予想され、反発上昇する見込みがある。市場及び企業のリスク選好度が高まり、合併・買収(M&A)や自社株買い戻しが増加する見込みがある。
現在、欧州株式市場のPBR(株価純資産倍率)は1985年の低水準に接近しており、長期平均値と比較しても約10%低くなっています。投資銀行のアナリストの予測では、2014年末のストックス・ヨーロッパ600指数は表のように370ポイントに達する可能性があると見ている。
また欧州の株式市場の中で、注目すべきイギリスの株式市場も8月制造業PMIは57.2に達し、2011年2月来の最高値を更新。サービス業PMIも60.5に達し、8カ月連続で上昇となった。イギリスの王立公認測量師協会発表の住宅価格指数では、8月に40%増となり、2006年9月来の最高値となった。イギリスの先月の失業率は7.7%下落し、ここ8ヶ月の最低水準となっている。
投資市場の変化は多種多様で、投資家にとって最も重要な仕事とは、おびただしい量から選び出した情報を理解した上で、賢明な投資決定を打ち出すことだ。