大暴落ない香港株
間もなく第3四半期も終わり、どのような要因が第4四半期の市況に影響してくるかを考察する時期となった。第3四半期の香港株のパフォーマンスは突出しており、ハンセン指数は再び23,000台を越えた。
買い越しの影響を受け、10月の香港株は調整局面に入る可能性がある。加えて、ハンセン指数は上昇過程でいくつか窓開けを残しているため、遅かれ早かれ関連する窓埋めの動きが出る。株式相場の健全な発展の為には、更に長期的な上昇トレンドとなるよう、早期の窓埋めが望まれる。
テクニカル要因のほか、米国や中国本土からの要因も香港株の行方を左右する。
米国議会は10月に政府債務上限引上げの決議が迫っており、一般的な予想では、民主・共和両党は最終的に引き上げに合意すると見られている。しかし、合意前に両党間の論争が市場に激震を誘発する可能性も残っている。そして米FRBの緩和策縮小も、株式市場に影響を与えるもう一つの問題だ。
直近のデータでは米国経済回復の弱さが見られ、加えて次期FRB議長が誰となるのかも依然として未知数となっていることから、現段階では米FRBが金融緩和策を縮小する条件が整っていない状況だ。とはいえ、依然として緩和策縮小の可能性は株式市場のトレンドを乱降下させる口実とみなされている。
中国では、11月に第3回全体会議(三中全会)を控えており、市場は中国政府が会議上で将来的な経済発展の基本姿勢を示すことを期待。
分析によると、第3回全体会議の開催は新指導部の権力が確固たるものに成った事を意味しており、政府が国家発展に向け経済政策を実行する上で、プラスであると見られている。
第3回全体会議が行われる前に中国の国策関連銘柄に宝探しの流れが現れると予想されており、中国資本銘柄への投資雰囲気は大いに加熱する見込みがある。つまるところ、テクニカル面や米国からの影響を受け、香港株は来月調整期に入ると見られ、その後、第4四半期後半の香港株は、中国の要因から上向くことが予想される。
欧米の中央銀行の声明から、世界経済が着々と回復基調に向いつつ不確定要素も見られるものの、まだ大型危機の到来はうかがえないことから、第4四半期の香港株は、大暴落(10%以上の下落幅)発生の可能性は低いと見られる。