アップルのマーケティング戦略に問題発生か
アップルは新発売となるiPhone5s及び5cの2機種を発表した。サプライズ不足に加えiPhone5cの販売価格が市場予測より高価だったため、新2機種発売によるiPhoneブーム再到来の可能性は低いと見られている。
近年、アップル製品の中国本土のシェアは下落の一方で、どのような戦略で失った市場を奪回するのかに関心が集まっており、廉価版iPhoneの発売で中国国内におけるアップルの業績を起死回生できるのではと、多くの人々が期待を寄せていた。しかし、ある調査結果ではiPhone5cの販売価格が予想よりも高かったことが明らかとなっており、中国本土の消費者にとって購買意欲は高くないと見られている。言い換えると、iPhone5cで立て直しを図りたいアップルの思惑は外れてしまう可能性が非常に高いのだ。
製品をヒットさせる場合、成功のカギとして低価格・高品質は欠かせない。廉価版iPhoneの発売を謳う以上、アップルはおもいきった低価格で発売し、ぜひとも市場にサプライズ感を与えて欲しいところだ。
現在、確かにiPhone5cの販売価格はiPhone5sより低く設定されているが、結局は消費者の予想価格との格差があるため、消費者の購買意欲へのインパクトは乏しい一方、アップルも販売価格が低くなり過ぎることを望まないなら、いっそ高級路線を固持し、廉価版iPhoneを無理にプッシュしなくとも良いのではないだろうか。
iPhone5sの販売価格と消費者の反応から、アップルのマーケティング戦略には問題発生が伺える。これまで、中国の消費者は外国産メーカーのスマートフォン購入を好んでいたが、この消費モデルには近年すでに転換が見られる。
統計資料によると、中国産メーカーのスマートフォンユーザーが徐々に増加しており、Lenovo(00992)や中国無線(02369)、中興(00763)が生産しているスマートフォンの中国市場シェア拡大しているが、現状、サムスンには及ばないものの、アップルは確かに超えている。国産メーカーのスマートフォンが消費者の心をつかんでおり、外国メーカーのスマートフォンよりも低価格で、品質向上が続いたことが勝利のポイントだ。アップルが中国市場の変化に順応できず現状の路線を維持するのであれば、アップルの中国市場でのシェアは早々さらに縮小するだろう。