新興国から資金逃避
好調な米経済指標を受け、市場は米FRBが9月に緩和策縮小に踏み切ると予想。米10年債利回りも徐々に上昇しており、ここ2年で最高値となる2.9%近くの水準を突破。債券利息の更なる上昇は、利回りの高止まりによる米国経済回復への影響が懸念され、NYダウは5営業日連続の下落。100日移動平均線 (15,037ポイント)を割りこみ、米国の株式市場は今後も短期で下方圧力を受けると見られる。
ボンベイSENSEX指数
それぞれの成熟国家に経済回復の兆しが出始めてから、新興国市場からの資金離脱が続いている。中でも、インドルピーは再び最安値を割り1ドル=64ルピー台に下落。今回の過度なルピー安によるインド経済への影響に歯止めをかけるため、インド準備銀行(中央銀行、RBI)はルピー安阻止の政策実施に追い込まれている。景気指標が不調な中、インドの株式市場はすでに5週間連続下落、18,000ポイントの水準を割り込んだこともあり、中期のトレンドは低水準で推移すると見られる。
ドイツ株価指数
米FRBの債券購入規模縮小への懸念を受け、欧州の株式市場もやや下落傾向にある。しかし少し前にユーロ圏が公表した第2四半期の経済指標は市場予想を上回っていることから、欧州の株式市場の反落は短期的なものであると見られる。ドイツ、フランス両地の株式市場はなお強いトレンドを維持しており、中でもドイツの株式市場は50日移動平均線 (8,240ポイント)のサポートを受け、今後再び本年の最高値への挑戦に期待が寄せられる。