ゲーム関連株のバブル
近頃、グローバルIT関連銘柄が高騰し賑わっている。業績好調が要因となっているほか、買収合併のニュースが追い風となっているのも株価高騰の理由だ。多くのIT関連株の中でも、モバイル関連株は市場の焦点と言える。
中国本土のスマートフォン機器の生産量がきわめて急速に成長しているため、機運に応じてモバイル関連のビジネスチャンスが生まれており、特にモバイルのゲーム市場では企業の争奪戦が起きている。企業を設立しモバイルゲームを開発する者もいれば、買収によってモバイルゲーム市場に手を出す企業も出てきている。最近では、フアイ・ブラザーズ・メディア(華誼兄弟伝媒:中国の映画制作会社)が6.72億人民元(約109億円)でモバイルゲーム会社である広州銀漢科技有限公司の株を50%以上取得した。
中国本土のモバイルゲーム市場はこれから隆盛期に突入し、さらに多くの企業買収や合併が発生すると見られている。
ネットの世界はバーチャルであるため、その価値を見極めるのはかなり難しい。00年のドットコムバブル期には、株価収益率(PER)が数百倍になってでもIT企業を買収する者が現れ、異常なまでに株価が高騰したIT関連株が至る所で見られた。このため、当時は多くの企業がIT関連株へと転身したと見られる。
市場が理性を取り戻すに従い、ドットコムバブルが崩壊し、ファンダメンタルズや実質業績が伴っていない大量のIT関連銘柄が市場から消え失せてしまった。
現在、モバイルゲーム関連株が投資家に無限の期待感をもたらしているが、最終的にどれだけの企業が生き残れるのかは未知数である。ネットゲームはトレンドの産物であるため、もしトレンドと同時に発展できなければ、製品は容易に淘汰される。これはモバイルゲーム関連株に投資する上での一つのリスクだ。
00年のドットコムバブルの最も高騰した時期と比較して、現在のモバイルゲーム関連株の高騰は入り口の段階と言える。市場でますます多くの企業がモバイルゲーム関連株へと転身し、同時にいかなる銘柄も一斉に株価が上昇する局面となった場合には、モバイルゲーム関連株がすでにバブルを形成した後は、関連銘柄が暴落に注意が必要になってくる。
モバイルゲーム関連株がもたらす投資チャンスを掴みたいが、あまりにも大きなリスクは避けたいと考えるのであれば、投資家は十分な実力と実質的業績を兼ね備えたモバイルゲーム関連株を選び抜く必要がある。市場ではアリババが9月に上場する情報が流れており、アリババの再上場はITブーム全体のトレンド熱を最高潮へ押し上げる可能性がある。