上半期世界の株式市場
2013年も半年が経過し折り返しの時期となった。投資の面において、あなたにとって上半期は喜ばしいものでしたか?それとも残念なものだったでしょうか?
今回は本年上半期における世界の株式市場を振りかえり、株式市場における上昇幅と下落幅の各トップ10ランキング結果を見てみよう。
この情報から比較的簡単に上半期における各株式市場の動きをご理解いただけるのではと思う。上半期において世界で一番の勝者となったのは日本の株式市場だとお考えの方は、以下のランキング結果に少し驚くだろう。
以前日経平均株価指数の上昇幅が35.63%を記録しましたが3位止まりとなった。上昇幅の1位と2位は、中東国家であるドバイ(39.29%)とアブダビ(36.22%)となり、上昇が急速に進んだ要因は両国の近年における経済発展が急速に進み、とくに原油産出が最も盛んとなっているためだ。最近MSCI社(モルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナル社)は、両国の格付けを「フロンティア市場(Frontier Markets)」から「新興市場(Emerging Markets)」のランクへと引き上げており、更に多くの資金が中東国家に流入する予兆が見て取れる。
下落幅のトップ2を見てみますと、BRICs(ブリックス)4カ国のうちブラジル(-25.80%)とロシア(-16.56%)が、そして同じくBRICsを構成する国家である中国の上海総合指数(-11.57%)までもが4位にランクインしている。
下落幅トップ10のランキングを眺めてみますと、とある1つの共通が見えてくる。いずれも近年において大変人気のある新興市場であるということだ。原因は前回のニュースレター記事で言及したとおり、新興市場が国内外からの懸念に直面しているためだ。
国外からの懸念については、輸出維持のために欧米の主要国家との通貨安競争を余儀なくされていることや、経済成長を安定させることが求められていることだ。そして国内からの懸念については、金利を引き上げて投機的資金流入によるインフレに対抗しなければならないが、金利引き上げは理論上経済発展にとって不利となってしまう。
最近の株式市場の暴落は、主に米FRBの緩和策撤退予測による影響が原因となっている。過去数年の低金利の間にホットマネーが流れ込んだが、徐々に新興市場の資産は価格を問わず売り払われ、近い将来ホットマネーは逆流して米国へ向かうと見られる。