BVI法人と香港法人とでは、税率の違いもありますので、使い道も違ってきます。BVI法人の場合は、株主・役員情報は非公開で、活用事例としては、世界各国の企業からの支払いを受ける、法人名義で不動産や株式に投資をする、相続対策として活用する、といった活用法が考えられます。これに対して香港法人の場合は、どちらかというと、地の利を活かして中国企業との取引や、審査の厳しい欧米や日本の企業との取引、その他日本より有利な税制を活用してビジネス展開をしようと考えている方が活用されるようです。

定款の要件比較

	香港法人	BVI法人
株主最低人数	1	1
ディレクターの最低人数	1	1
最低資本金	HK$ 1	US$ 1
法定会社秘書役 Company Secretary	香港居住者であり1人	要件なし
ディレクターと株主の国籍と住所	制限なし	制限なし
香港登録所在地	必須	必須ではなしただしあれば便利
設立に要する時間	休眠会社:1日 新規設立: 1週間	休眠会社:1日 新規設立: 12日

BVIは資産管理に適し、香港法人は国際取引に有利であります。

目的とメリットの比較

	香港法人	BVI法人
イメージ	良い	良くはない
登記情報へのアクセス	公開	公開性が低い
リスクの縮小	同様	同様
優遇税制	法人税(Profit Tax:利得税)の税率は16.5%。事業所得の源泉地が香港国外の場合、課税方式を地域主義を原則	法人税(Profit Tax:利得税)の税率は0%。ただし、BVI本国以外の利益に限る。日本のタックス・ヘイブン対策税制の制限の適用あり
資産保全方法	相続など資産譲渡は株式譲渡の方法　印紙税(Stamp Duty)が株式譲渡時に発生　株式譲渡には財務報告書(Financial statement)の更新が必要	相続など資産譲渡は株式譲渡の方法　最高4.25%の印花税(Stamp Duty)、財務報告書(Financial statement)不要
銀行口座の開設	香港の非居住者でさせ必要書類も少なく簡単	必要書類が多いディレクター個人のバンクリファレンスレター　株主情報の提供　銀行口座開設の目的を提供

香港法人は利点が少ない

設立コストと運用、解散コストの比較

	香港法人	BVI法人
設立費用	HK$5,000から	HK$10,000から
年間運用コスト	登録免許税(Registration Tax)HK$450　年次申告HK$105　納税申告と会計監査あり。サービス料金は1年につきHK$4,000から　年間総料金は約HK$5,000	650米ドル　納税申告と会計監査なし
解散	負債のない場合、約HK$2,000。赤字会社は段階的に負債をHK$20,000に縮小する必要あり。	なし