不動産投資と債券市場
香港不動産市場の高騰は1998年のアジア発金融危機から始まり、この景気の周期は約15年の時がたった。ここ2年の香港不動産市場は経済の流れと相反しており、下落どころか上昇している。その主な原因として世界の貨幣価値がすでに「金本位制」となり、実質的資産を失ったことに加え、各国の超低金利政策の実施により、大量のゼロコスト資産が実質的資産である「不動産市場」を追随する情勢をもたらしたことだ。
不動産への投資はわりの良い投資手段であり、賃貸収入だけでなく価格上昇の機会を待つことも可能で、最も重要なのは住宅ローンがレバレッジとなり、リターンの拡大を生む可能性があることだ。(もちろん相反する可能性もあるが)
中国大陸から香港の大学院に通っている友人の話しによると、香港の不動産価格が尋常ではないため、彼女は就職後に友人とルームシェアをする予定で、それでも彼女の収入の40%を家賃が占める。加えて毎年10-30%の家賃値上がりの可能性も懸念されるとのことだ。
彼女はどうにか賃貸住まいの奴隷となるのを避けるため、両親に香港で300万香港ドルの不動産購入を頼みたい考えですが、最近香港政府が発表した規制強化による不動産購入者印紙税(BSD)や追加印紙税が彼女を思いとどまらせており、このため彼女が香港で今後どのくらいの期間を過ごせるのかはっきりと言えない状況となっている。
香港に暮らす多くの人々がこういった苦境に直面し、現在の不動産購入が好機かどうかをためらっており、購入直後に不動産市場が暴落することを懸念している。実際のところ、より賢明に不動産購入に限らず、不動産会社の関連資産を購入する方法がある。例えば、不動産会社発行の債券は「金利上昇」の余剰利益を享受することができ、流動性も非常に高くなっている。 もし300万香港ドルの資金で不動産を購入する場合、やや僻地にある実用面積300スクエアフィート未満の小さな住居しか購入できない。しかし、この資金を用いて恒大地産(エバーグランデ)の債券を購入すれば、年利9%で一年間の利息は27万香港ドル、毎月2万香港ドル余りの受動的な収入を受け取ることができ、家賃支払いにも十分余りが出る。
またほかの投資を行う遊びの資金がより多くなり、債券の満期日の額面が購入時に比べ高い場合も利益を獲得でき、複利効果を発揮できるだろう。 香港および中国本土の優良株の不動産会社はみな債券を発行しており、それぞれ格付けや満期日、利回り等が異る。
債券発行元 | 年利回り% |
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恒基兆業地産(ヘンダーソンランド) | 2.79% |
東亜銀行(Bank of East Asia) | 3.47% |
恒大地産(エバーグランデ) | 8.35% |
華南城控股有限公司(チャイナサウスシティ) | 11.46% |