2013年の投資環境見通し
BRICsと言えば、大部分の人々が中国とインドを連想するがロシアは見落とされがちかもしれない。
ロシアに中国のような巨大な経済規模がなく、ブラジルのような豊富な天然資源もなく、同時にインドのような一流のソフトウェア開発能力を備えていないことが原因かもしれない。しかしロシアの情況は決して悪くはないのだ。分析を通してロシアに過小評価されている上で投資価値があることを結論が達した。
指数 | 予想PER | PER | 配当利回り | PBR |
---|---|---|---|---|
ロシア | 5.74 | 5.88 | 3.78 | 0.82 |
インドSENSEX | 15.19 | 16.19 | 1.55 | 2.71 |
ブラジル | 17.89 | 21.16 | 4.04 | 1.24 |
滬深300(CSI300) | 11.25 | 11.94 | 2.17 | 1.70 |
2012年8月22日、ロシアは正式に「世界貿易機関」(WTO)の加盟国となった。
ロシアの人口は1億4千万人あまり、国内総生産(GDP)は約1兆8850億米ドルと言われており世界第9位。「世界銀行」の推定では、WTO加盟後、ロシア企業は貿易面で毎年9,000億米ドル黒字を重ね、この先3年でGDPが毎年3.3%約490億米ドル増加すると見ている。WTO加盟の協議により、加盟日から約3分の1の商品の輸出関税率が引下げられ、約4分の1の課税品目が3年以内に調整され所定の水準になる予定。2015年までに、ロシア全体の関税の水準は2010年末の10%から7.8%へ引き下げられる予定で、貿易競争力を大いに高めることとなるだろう。
豊富な資源
原油や天然ガスのなど資源の開発は現在ロシア経済の主要な柱となっており、近年の資源エネルギー価格の上昇は金融危機後のロシアをすばやく回復させた要因の一つだ。ロシアのCommodityは西側諸国の2倍、25~30年分の量を保有していると推測されている。
西側諸国の保有量はおよそ15年分ほどだ。(補足:ロシア保有の原油量は米国の2倍、天然ガスは米国の9倍)
現在米国や欧州などの大国では、今なお巨大な石油需要を抱えている。また中国やインドなどの新興国もロシアにとって最も主要な石油の買い手となっており(補足:インドは石油の70%を輸入に依存、中国は40%)、各国からの原油等の資源需要はロシアだけが金融危機からの被害を受けないでいられる好材料となっている。
巨大な消費市場
プーチン氏が政権を握ってから、ロシア国民の所得は驚異的にも2桁の成長率を維持しています。国民の消費能力を大幅に引き上げ、GDPを支えるメインエンジンとなっている。ときわけ取り上げるべきは、中級層が占める人口の割合がBRICs諸国の中で最大であるポイントにあり、ロシアへの投資価値をよりいっそう魅力あるとしている。
2014年の冬季オリンピックはロシアのソチで開催されますが、近年において国際的な催しを開いた国々、例えば中国やイギリスに目を向けてみますと、いずれの経済もまずまずのパフォーマンスを出している。開催時期にはおそらくロシアのインフラ建設が継続的に進歩し、これにより旅行消費関連の業界をさらに牽引できる見込みがある。
「今さらロシア市場に投資?」と言われるかもしれませんが、ブルームバーグのデータによれば、ロシアの予想PER(株価収益率)とPBR(株価純資産倍率)は世界の主要市場の評価と比べて最も低く、配当利回りも相対的に高めになっている。
さて、ロシア市場において、どの業界に投資するのがより確実だろうか?