HSBC香港も日本と同じく当座口座には預金金利がつきません。マイナス金利の日本をはじめ世界中が低金利の時代ですが、HSBC香港では香港ドルおよび外貨預金に対して金利がわずかですが発生します。
HSBC香港の公式サイトの預金金利情報は以下URLで確認してください。
https://www.hsbc.com.hk/1/2/hk/investments/mkt-info/deposit-rates/interest-rates
HSBC香港の口座は一つの口座番号で複数通貨を一元管理するマルチカレンシー口座であり、通貨の種類に応じて普通預金および定期預金の金利がそれぞれ異なってきます。
また、日本で契約すると定期預金につく預金金利は、金融機関が親切に自動的に20％分源泉徴収してくれて、自分で申告しなくてもいい場合が多いのですが、香港では預金の利子に対する課税はゼロパーセントとなります。
HSBBC香港のインターネットバンキングを利用して定期預金を組む方法に関しては、こちらインターネットバンキングで定期預金の設定 / Time Depositのページにて解説しています。

普通預金の金利一覧 Saving Deposit Rates

2016年世界中が低金利の中、HSBC香港の普通預金の金利もさほど高くありません。その中でも人民元の利子が高く設定されているのがわかるかと思います。

普通預金 Savings

通貨	金利(最大)
HK Dollar香港ドル(HKD)	0.0010%
Australian Dollarオーストラリアドル(AUD)	0.0010%
Canadianカナダドル(CAD)	0.0010%
Euroユーロ(EUR)	0.0010%
Japanese Yen日本円(JPY)	0.0010%
New Zealand Dollarニュージーランドドル(NZD)	0.0010%
Pond Sterling英ポンド(GBP)	0.0010%
Renminbi人民元(CNY)	0.2500%
Singapore Dollarシンガポールドル(SGD)	0.0010%
Swiss Francスイスフラン(CHF)	0.0010%
Thai Bahtsタイバーツ(THB)	0.0010%
US Dollar米ドル(USD)	0.0010%

預金残高を表すTRB(総取引残高)が100万香港ドルを超えるVIPには、預金金利を追加で+0.001%のボーナスレートが適用されます。

定期預金の金利一覧 Fixed Time Deposit Rates

日本よりも高金利となっているのが、HSBC香港の定期預金はメリットのひとつです。

定期預金 Time Deposit

通貨	金利(最大)
HK Dollar香港ドル(HKD)	0.2000%
Australian Dollarオーストラリアドル(AUD)	0.7000%
Canadianカナダドル(CAD)	0.2500%
Euroユーロ(EUR)	0.0010%
Japanese Yen日本円(JPY)	0.0100%
New Zealand Dollarニュージーランドドル(NZD)	0.8000%
Pond Sterling英ポンド(GBP)	0.3500%
Renminbi人民元(CNY)	0.6000%
Singapore Dollarシンガポールドル(SGD)	0.0100%
Swiss Francスイスフラン(CHF)	0.0010%
Thai Bahtsタイバーツ(THB)	0.1000%
US Dollar米ドル(USD)	0.2000%

香港のHSBCとは異なり、HSBC中国での外貨の預金金利は高く設定されており投資家に有利な条件となります。また、人民元の定期預金は、約最大３%に設定されています。
https://www.hsbc.com.cn/1/2/misc/

ちょっと一息コラム、外貨預金とペイオフ(預金保護) Pay off

2010年に日本振興銀行が経営破綻し歴史上、初のペイオフが発動したこはマスコミで大きく取り上げられ、投資家の皆さんのなかで記憶に残っている方も多いのではないでしょうか。1990年代半ばから2000年代前半にかけて、バブル崩壊にともなう不良債権問題が深刻化し、金融機関の破たんが相次ぎ預金者にとってヤキモキする時期が続いたのではないでしょうか。
さて、マイナス金利政策を採用している日本では、銀行の預金金利は世界的に見ても低くなっているので日本円は預金に向いていないといっても良いでしょう。加えて、米ドルだけを保有するのではなく、いくつかの通貨を組み合わせて分散して為替リスクは軽減する目的でマイナーな通貨の外貨預金を利用している方も多いことでしょう。
ただちょっと待ってください。
実は、外貨定期預金は良いことばかりではないのです。
前述したように日本振興銀行が経営破たんし歴史上、初めて発動しペイオフが利用されました。ペイオフとは、1,000万円を上限にその利息分の金額を払い戻す預金保護制度で、つまり個人に対する保険の一種です。ただし、あくまでも保険限度額が存在し普通預金や定期預金などは預金者一人につき、元本1,000万円とその利息までしか保証の対象としかなりません。
例えば1500万円を預けていた場合、500万円分はペイオフで保護されないことは確定しており、結局、金融機関が破たんしたらいくら戻ってくるかはわかりません。さらに、気をつけなければいけないことがあります。なんでもかんでもペイオフの保護対象とならず、外国銀行の支店の預金や、金利が高いからといって契約した外貨預金は預金保険制度の対象外金融商品のためペイオフの対象外となり保護されません。

預金封鎖 Depositors’ bail-in

ペイオフはあくまでも、いち金融機関が倒産した際に預金者を保護する制度ですが、国自体が財政破たんしたら銀行に預けている預金はどうなるのでしょうか？誰が保護してくれるのでしょうか？
戦後の預金封鎖と新円切替のように、日本政府が預金封鎖や財産税(預金に対する課税)の徴収などの禁じ手を始めたら。しかし、海外の銀行ならば、そういった心配はありません。仮に日本で戦後のように再び預金封鎖が実行されてしまったら、日本に居住していても香港の銀行にある預金は投資家が海外の金融機関と直接契約しているので、日本の国家権力が及びません。つまり、封鎖することができないので、いざとなれば香港まで行けば確実にキャッシュが入手できるのです。詰まるところ危機をチャンスに変えることができるのです。
事実、1998年ロシアは対外債務の90日間支払停止を宣言し、事実上のデフォルト宣言となりました。いわゆるロシア財政危機です。
これによりルーブルは急落。ロシア国民の中にはなけなしのお金を外国へ持ち出すものも現れ、さらにルーブルは下落しました。ロシア政府はこれ以上キャピタルフライトしないように預金封鎖を行い、貸し金庫の中に入っていたもの利子も含めてすべて没収しました。これにより、ルーブルで預金していた国民は完全に全財産を失うことになりました。一方、危機に先んじてキプロスなど海外の銀行にドルを蓄えていた人は悪性インフレによってルーブルの価値が下がってときを見計らって、相対的に価値が急上昇した外貨建ての資産をロシアに戻します。
ルーブルの下落によって二束三文になったロシアの国営企業を買い漁って、巨万の富を手に入れることになったのです。