QE3急がず
FOMC議事録により内部のメンバーの量的緩和第3弾(QE3)に対する意欲が減退していることが明らかになり、バーナンキ議長がQE3によって景気を刺激する必要はまったく別個であると言っていたことが暗示された結果となった。
あいまいな表現に止めているのはQE3実施の可能性は高くないことを表していますが、投資家にとってはFRB今後を理解できず、投資リスクが大きく増加しただけだ。FRBの言説は筆者にとってはそれほど奇妙に映らず、当局の行動の原因はなるべくマーケットに真実を伝えることはなく、自身の余力を残すことが主な目的であるということだ。
投資家にしてみれば、FRBは当然納得できるものではありませんが。
QE3はアメリカのメイン兵器であり、正念場にならない限り、実施を断言することはまずない。それに、QE3を実施するか否かはオバマ大統領再選にとっては将来の民意でもある。
失業率の回復や株式市場の強気市況の現況下ではFRBにはQE3の実施の緊迫性はなく、内部的な要素を除き外部的な要素については、FRBにQE3実施に対して引き続き影響を与えることとなる。
ヨーロッパの債務問題が落ち着かない状況下で、将来極めて大きな規模まで膨らむ恐れがある他、日本は量的金融緩和政策を維持し経済を支えなくてはならない。
日欧が量的緩和を加速させてもアメリカは何もしないと漁夫の利を得ることになり、経済全体から見ればアメリカには日欧に比べて資金の流入がし易いということになる。
事実、米株の勢いはこの資金の流れが反映しており、この日欧の資金がアメリカに流れ続けさえいれば、つまりQE3実施はなく、アメリカの経済は余裕資金の不足を憂慮するこはないのだ。
QE3実施は当然、株式市場を刺激することになりますが、実施しないことをもって悪いニュースというわけではない。
経済がこのまま改善され続けるとFRBが量的緩和を行う必要はなくなり、この鑑定から鑑みるとQE3がないことは、良いニュースでもある。アメリカは世界最大の経済大国であり、その復活はグローバル経済の増長の一助となり、下降線をたどる中国大陸の輸出業にとっては必ず好材料となるのだ。