IMFのマイナス予測が上昇トレンドを阻む
上海総合指数が長期休暇を終えて再開した。十八大(第18回中国共産党全国代表大会)を間近に控え、市場は大会の前後に新しい経済刺激策が発表される可能性を引き続き期待。上海総合指数は継続してやや上向き、しかし依然としてレジスタンスラインを突破できていない。
IMF (国際通貨基金)は世界の経済成長予想を引き下げると同時に、米国の単一経済体としての予想については現状維持。加えて先週発表の失業率はここ4年の最低水準まで下がっており、ダウ平均株価指数は引き続き好調。しかし注意すべきは、現状維持とは米国政府が財政危機を解決可能な状況にあることを意味している点である。
IMF発表の最新の<世界経済見通し>では、ユーロ圏の来年の経済成長予測は従来の0.7%増から0.2%増へ調整された。欧州債務問題は解決方法が有るにもかかわらず、今月末に償還期限となる270億ユーロ近くの国債を抱えながらも依然として支援を要請していないスペインの影響を受け、ユーロ圏が弱含みとなる可能性がやや高い。
ECB(欧州中央銀行)が無制限の国債買い入れを発表し、スペインの指数は反発上昇。スペイン政府は支援を要請するべきところだが、条件面での折り合いから、当局は遅々として未だ支援要請を出せないでいる。支援要請への困難が次々と重なり、スペインの指数はさらに下方調整される可能性が高い。