第4四半期香港は前高後低のトレンドか
またたく間に再び第4四半期季がやって来た。
当該四半期の見通しとして、香港株式市場はアップダウンするトレンドをなお抜け出せずに、ハンセン指数のメインとなる変動幅は18,500~21,500ポイントの間になると筆者は予想する。今期全体では、筆者は香港株式市場が先に高く後に低いトレンドが現れると見ているが、その理由は、米大統領選及び第18回中国共産党大会をもって、11月上旬には年内に好材料となる情報が出尽くしてしまう可能性が極めて高いことにある。
11月6日の米大統総選挙を前にして、米国株式は比較的安定したパフォーマンスになると見られ、香港株式市場にとってみれば、米大統領選は折良くニュートラルに落ち着ける要因となるであろう。このほか、中国共産党は11月8日に十八大(全国人民代表大会;全人代;National People’s Congress;NPC)を行う予定で、市場は中央政府が議会後により多くの経済刺激策を打ち出すのではと期待を寄せている。米中2大国の政治要因にサポートされるなか、10月の香港株式市場は比較的安定したパフォーマンスが望めるであろう。
「振り子の理論」によれば、良いニュースが出尽くしてしまう際、市場はマイナス要因をフォーカスしてしまうため、その時が来れば株式市場は調整段階に入るはずである。過去数ヶ月間、市場はひたすら各国の「放水(量的緩和)」及び市場救済措置をきっかけとして投機的売買を行ってきたため、世界の株式市場は比較的良好なパフォーマンスを見せてきた。
しかし、世界の主要経済圏ではさまざまな経済問題が未だ本当の解決に至っていない。例えば米国の失業率がかなり高い水準を維持していることや、欧州国家が衰退の境地にあること、中国経済の下落圧力が弱まっていないこと等が挙げられる。もし市場の焦点が再び基本的な経済要素に当てられてしまえば、株式市場を反落させる口実が浮かび上がってきてしまう。
実際、年末は欧州PIGS国家にとってもう一つの国債償還のピーク期にあたり、米国はまたすぐFiscal cliff(財政の崖)の脅威にさらされる。言い換れば、FRBのQE3及びECBの国債購入プログラムになおも多数の投資家らが大きな期待を寄せる際、投資家の皆様にはくれぐれも経済に潜んだ問題を見落とすことのないよう、しっかりとリスク管理を行うことを忘れないで頂きたい。また、7月以降、ハンセン指数は多数の窓開け上昇が発生しまだ窓閉めが補われていないことから、指数はまず5月7日分の窓開け下落を埋めた後、下落して窓空け上昇を補う可能性がある。もしすべての窓開け上昇を埋めるならば、ハンセン指数は19,000ポイントを割っているであろう。