最後の特効薬、量的緩和(QE3)処置
バーナンキ議長は近日、米国の経済成長を加速させ失業率を改善する必要があることを明らかにし、QE3処置の現実味が帯びてきて世界の主要株式市場が好感し上昇した。
アメリカにとってある意味「特効薬」であり、正念場にならない限り簡単に実行されるわけではない。即ち米国経済が更に悪化した場合に連邦準備制度(FRB)よりQE3政策を実行される可能性がある。
過去数ヶ月、アメリカの雇用状況は改善し続け、株式市場は上昇トレンドでり短期ではQE3実施の切実性は乏しいと言える。しかし、米国の不動産市場は依然として冷え気味で、不動産市場が終始、米国経済の潜在的懸念材料となる故に連邦準備制度(FRB)が将来的に不動産市場を救うため、QE3処置を実施する可能性が高いと考えられる。
もし、本当にQE3を実施すれば、筆者は第三四半期になる可能性が高いと予想している。これは、連邦準備制度(FRB)のオペレーションツイスト(経済政策)が今年6月末に終了するため。
その他、政治的な面からは11月の米国大統領選挙が行われることを考慮すると適当なQE3実施の時期は第3期となる。現時地点では、原油価格の上昇とインフレ圧力の増加がFRBの緩和政策の足かせとなっている。
仮にバーナンキン議事が実施に踏み切ったとしても米ドルが更に弱くなり、原油価格も更に高くなる可能性が高いと見込まれる。
インフレ面から分析すると、雇用状況の改善と米国株の上昇に伴い米国のインフレ圧力が潜在しているなか、一旦QE3を実施するとインフレ圧力が一層拡大。原油価格の上昇とインフレ圧力は米国経済にとって決して好ましくなく、QE3の意図するものと異なるのではないだろうか。
投資市場にとってはそれほど重要とは言えず、QE3実施が遅ければ遅いほど株式市場に有利に働き、事実、ダウとS&P500はすでに、金融危機以前の高値に戻った。今年の総選挙をにらみQE3の実施への期待を含みながら年内、米国株にとって引き続き好況が見込まれる。