FRB利下げで米国株上昇、中国の財政支援策に投資家注目
FRBは11月の会合で市場の予想通り25bpの利下げを実施し、米国株は選挙後の上昇幅をさらに拡大しました。パウエルFRB議長は、将来の政策変更に関する情報が不足していることを理由に、選挙結果がFOMCの決定に短期的な影響を与えることはないと述べました。また、米国経済は引き続き堅調な足取りを維持していると指摘し、政策金利の中立水準には不確実性があると強調しました。この発言は、FOMCが緩やかな緩和路線に沿って、利下げのペースを減速または一時停止する可能性があることを示唆していると考えられます。私たちは今後5回のFOMCでそれぞれ25bpの追加利下げが続くと見ていますが、トランプ大統領の再選によるインフレ圧力が加わる場合、2025年の緩和ペースには不確実性が生じるかもしれません。今後の政策変動に備えて、米国市場の動向には引き続き注目が必要です。
先週金曜日に閉幕した中国全国政協常務委員会(NPC)総会では、待望の財政支援策が発表されました。NPCは、地方政府の特別債務上限を6兆人民元増額し、隠れ債務を交換することを承認しました。他の資金源を考慮すると、今後5年間でのスワップ総額は12兆人民元に達します。しかし、住宅在庫の消化と消費支援に向けた新たな需要側刺激策が不足しているため、今回のパッケージは一部の投資家にとって期待外れと感じられたかもしれません。中国の政策支援はこれまで漸進的であり、債務デフレスパイラルを断ち切り、成長見通しを好転させるにはまだ十分な需要側の支援が提供されていません。12月の政治局会議、12月の中央経済工作会議、3月の全国人民代表大会(全人代)で、政策がさらに明確化される可能性があります。中国の財政支援が予想を下回る一方で、トランプ政権下で関税引き上げの可能性もあるため、当面の市場のボラティリティは継続すると予想されます。これらの要因により、今後の市場に対する慎重な監視が必要とされるでしょう。