人民元のSDR加入と国際的地位の向上
2016年10月から、人民元は正式にIMFの特別引出権(SDR)通貨バスケットに組み込まれ、その比率は約11%で米ドルとユーロに次ぐ地位となりました。この採用は、中国の改革開放が国際的に認められ、今後も改革が継続されることを約束するものです。人民元のSDR加入により、国際市場での人民元の地位がさらに高まり、より広く応用されることが期待されます。また、MSCIへのA株の組み入れの可能性も高まり、香港も人民元オフショアセンターとしての地位が強固になるでしょう。
人民元の国際地位向上により、各国は中国との経済・貿易関係を強化し、中央銀行が人民元を備蓄通貨に加える必要性も高まります。さらに、SDR入りで人民元建て決済市場が成長し、投資家にとっても人民元建て製品関連への投資チャンスが広がります。
SDR加入に伴い、人民元の市場化が進むと見込まれ、中央銀行の為替介入は抑制されるでしょう。現在の経済環境と金利差の影響で人民元は下落傾向にあり、短期保有の場合、為替リスクも踏まえる必要があります。