2024年の金融市場展望、波乱含みの年に向かう
第1四半期のシリコンバレー銀行の破綻から10月の中東の地政学的紛争に至るまで、金融市場は今年も波乱に満ちた年となった。さらに、中央銀行の積極的な利上げにより、債券利回りは数年来の高水準に達し、金融環境は厳しさを増した。
2024年を展望すると、2つのプラス材料がある。主要国の利上げという第一の課題はようやく消えつつある。もうひとつは、米国経済がソフトランディングに向かいつつあり、世界的な景気後退のリスクが軽減されつつあることだ。こうした動きにより、金融市場は安堵のため息をつくことができるだろう。
しかし、欧州は景気後退の瀬戸際にあり、中国の不動産セクターは引き続き世界経済の成長の重荷となるだろう。また、地政学的な緊張が長引き、2024年には多忙な選挙日程が予定されているため、市場のボラティリティはさらに高まるだろう。この複雑な環境の中で投資家は何をすべきか?
世界経済の成長は相対的に鈍化するものの、2024年通年のGDP成長率は2.3%と予想され、依然としてプラス成長である。実際、2024年後半には緩やかな加速が予想される。インフレ率の低下が消費を後押しする一方、2024年第3四半期には米国主導の利下げが予想されるため、投資が下支えされ、利幅が拡大するだろう。さらに、長期的な構造的トレンドが魅力的な機会に転じると見ている。