新興市場株式は2024年、厳しいスタート
新興市場(EM)株式は2024年、厳しいスタートを切りました。米国の株価指数が史上最高値を更新し、日本の日経平均株価が大幅な上昇を記録し、他の先進国市場(DMs)が底堅さを見せているのとは対照的です。
なぜEM株が売られているのでしょうか?ドル高と1月の紅海貿易の混乱が影響しています。また、中国の成長見通しや規制の不確実性に対する懸念から、中国関連資産のパフォーマンスが低迷しています。
こうした背景から、慎重なアプローチが求められます。しかし、2024年はEMにとって比較的良好な年になると予想されます。FRBは緩和を続けるでしょうし、対中東・アフリカのGDP成長率格差の拡大は、収益アウトパフォーマンスの余地を示唆しています。そして、多くの市場が相対的に割安に見えます。実際、中国がRRRを50bp引き下げることを決定し、20兆人民元超の株式安定化基金の可能性が報道されたことで、今週末の中国株は急反発しました。ただし、重要なのは、EM域内のパフォーマンスが大きく乖離していることです。このことは、特異なトレンドを捉えるためのアクティブ運用の必要性と、ポートフォリオ分散の機会を示唆しています。未来を見据え、リスクを適切に評価することが重要です。