FRB6月から政策を大幅に緩和する可能性が高まる
12月の米国消費者物価指数(CPI)は、インフレがまだ根強いことを示し、市場ではFRBが3月に緩和サイクルを開始する可能性が高まっているという動きが見られました。コアCPIは前月比0.3%増と力強い推移を見せ、インフレが一定の方向に向かっている一方で、コアCPIの6ヵ月年率(FRBがトレンドを見る指標としている)が依然として3%を上回っていることが示されました。同様に、労働市場の主要データも、12月に雇用者数が20万人以上増加し、失業率が4.0%を下回ったことから、引き続き安定感を示しています。ただし、他のデータからは労働市場がいくぶん冷え込んでいる可能性も示唆されています。退職率(通常は転職のために自発的に離職する人の指標)が著しく低下しており、これは2024年の賃金上昇率がやや抑制される兆候となっています。
この状況から、FRBが最初の利下げを行う時期については議論の余地がありますが、インフレの進展と賃金上昇率の低下が組み合わさり、FRBが2024年6月から政策を大幅に緩和する可能性が高まると見られます。投資家の皆様にとっては、これらの変動が新しい投資機会を生む可能性があり、慎重な注視が求められます。
今週の動きとしては、米国の消費者物価指数(CPI)が上方修正されたにもかかわらず、リスク市場は安定した推移を見せました。現在の10年債先物市場では、3月のFOMCで25bpの利下げが実施され金利が年末までに4%まで低下する可能性が高いと見られています。
S&P500種株価指数とナスダック株価指数は共に上昇傾向にありますが、ラッセル2000種株価指数は第4四半期の米国決算を控え、2024年に向けて低調なスタートを維持しています。
ユーロ・ストックス50種株価指数は伸び悩んでいますが、一方で日本の日経平均株価は円安を追い風にして、数十年ぶりの高値をつけました。
新興市場では、投資家が第4四半期のGDPデータを神経質に待つ中、中国の上海総合指数が下落しています。
コモディティ市場では、地政学的緊張の高まりが原油価格を押し上げ、金価格も上昇しています。一方で、ビットコインはSECによるビットコインETFの承認を歓迎し、ポジティブな動きを見せています。
これらの市場動向は、投資家にとって注視すべきポイントとなっています。