米、高金利期間の長期化観測が再燃
米国では、先月、パウエル議長が会合ごとに決定されると述べた結果、現在の市場では、FRBが9月に金利据え置きの可能性を89%、11月に4分の1ポイントの利上げを実施する可能性を約32%と見ています。ただ、卸売業者が原材料に支払う価格を示す生産者物価は前月比0.3%上昇し、FRBが利上げを長期化させる必要があるとの見方が強まっています。経済データ面では、小売売上高が0.4%増と予測され、6月の鉱工業生産の減少からの回復が期待されています。さらに、消費者インフレの見通しなど、重要な経済指標が発表される予定です。
金価格は1オンス=1920ドルの節目を下回り、1ヶ月ぶりの最低値に近い水準で推移しました。最新の経済指標の発表を受けて、市場はFRBの行動方針に対して引き続き懐疑的な姿勢を崩しておらず、この中でドル高と国債利回りの上昇が重しとなりました。7月の米国消費者物価指数(CPI)は予想を下回りましたが、生産者インフレ率は上昇し、予想を上回りました。複数のFRB高官は既に、物価上昇圧力を抑制するためにはまだ対応策が必要と示唆しており、非金利の貴金属を保有する機会費用が増加していることが指摘されています。金価格は週足チャートで3回目の下落(-1.1%)を記録しました。
一方、米先物相場は、100重量あたり16ドルの節目を僅かに割り込み、7月24日に記録した2カ月ぶりの高値16.2ドルに近い水準で推移しています。
中国の7月の主要経済指標の発表が続きます。鉱工業生産、小売売上高、失業率のデータが発表され、既に予想を下回った一連の決算発表に続き、中国の景気回復の勢いについてより深い洞察が得られるでしょう。また、不動産デベロッパーの財務安定性が新たに脅かされる中、投資家は固定投資と住宅価格のデータにも注目するでしょう。日本では、7月のインフレ率と貿易収支に加え、好調な勢いを維持すると見られる第2四半期のGDP成長率が注目されます。