米国の経済指標は弱含みなか決済報告
今週は米国経済指標が弱含みとなる一方、多数の著名企業の決算報告が控えており、世界最大の経済が景気後退に向かっているのか、既に後退しているのかに関する議論が盛り上がっています。また、新築住宅建設件数と建築許可件数の発表により、不動産市場の健全性についての手がかりが得られます。さらに、S&Pグローバルによる4月の購買担当者調査により、米国の製造業とサービス業の活動を測定することができます。投資家は、週次失業保険申請件数のデータから、労働市場の冷え込みの兆候を探ることも大切にしています。カナダも、消費者物価指数と小売売上高の発表を控えており、市場に大きな影響を与えるかもしれません。
アジア各国では、中国の第1四半期のGDP成長率が発表され、中国経済の回復度合いが示されることになります。また、鉱工業生産や小売売上高、3月の失業率の発表も注目されます。ただし、弱いインフレ指標と産業活動の混乱から、PBOCがローンプライム金利を引き下げる可能性があるとの見方も浮上しています。一方、日本では、3月のインフレ率や貿易統計、そして4月のPMIが発表されます。これらの指標がどのように動くかによって、日本経済の現状や将来展望が明らかになるでしょう。
欧州では、ECBが金融政策決定会合の結果を発表する予定です。ECBは3月に半減期の利上げを実施しましたが、市場はインフレ対策として年末までにあと2回の25bpsの利上げが予想されています。マクロ面では、ユーロ圏の消費者信頼感が14ヵ月ぶりの高水準に改善し、銀行危機への懸念が薄れ、ドイツ経済への投資家心理が回復すると予想されています。PMI速報値は、製造業の生産がわずかに増加し、サービス部門の成長が堅調に推移していることから、民間部門の企業活動が4ヵ月連続で拡大し、2022年5月以来最も好調であることを示すと思われます。トレーダーは、ユーロ圏2022年財政データ、最終インフレ率、対外貿易統計、ドイツの生産者物価とZew景気感指数、フランスの企業調査の発表を待ち望んでいます。