中国、23年成長目標5%前後に設定
中国では、全国人民代表大会の年次総会で大幅な政権交代が実施されると予想され、政策立案者は2023年の公式成長目標を発表する。経済データの面では、1月と2月の貿易統計が目玉となり、中国の再開に伴う輸出増加への影響を見極めることになるだろう。また、中国は2月の消費者物価と生産者物価のデータを発表する。日曜日の年次国会の開会式で発表した政府業務報告書によると、世界第2位の経済大国が3年間にわたる厳しいCOVID-19規制から脱却し始めたことを受け、2023年の経済成長目標を前年比5%前後とした。これは、2022年の目標である約5.5%に比べれば、低い数字で昨年の中国経済の成長率は3%で、2022年の目標に大きく届かず、ほぼ半世紀で最も遅い成長率のひとつとなった。この報告書によると、2023年の政府財政赤字目標はGDP比3.0%に設定されており、昨年の赤字目標である約2.8%から拡大した。報告書では、中国は2023年のインフレ率の目標を3%程度とし、2022年の目標から変更しないとしている。昨年のCPIは2.0%上昇した。
米国の来週は、労働省の2月雇用統計やパウエルFRB議長の議会証言など、投資家が消化すべきニュースが目白押しだ。世界最大の経済大国である米国では、先月の雇用者数が20万人増と、1月の51万7000人増を下回り、失業率は3.4%と50年以上前の低水準を維持したようで平均時給の伸びはおそらく4.8%に加速し、インフレ圧力が継続することへの懸念が強まったのだ。労働省はまた、1月の求人情報を発表し、ADP雇用調査では2月の民間雇用者数が18万5千人増加すると予想される。同時に、市場参加者は商務省の貿易収支報告書を注意深く見守るだろう。
欧州では、ユーロ圏で第4四半期GDPの最終推定値と1月の小売売上高が発表され、ドイツでは2月のインフレ率の最終値、鉱工業生産、小売業が発表される。欧州最大の経済大国であるドイツの小売売上高と鉱工業生産は、いずれも12月の急落から回復していると見られており、また、フランスの貿易収支、イタリアの国内貿易、スイスのインフレ率と失業率、トルコの失業率と鉱工業生産、ロシアの消費者物価指数にも注目したい。
オーストラリアでは、RBAが6回連続で25bpsの利上げを実施し、キャッシュレートを3.6%に引き上げ、第4四半期のオーストラリアGDPの減速と1月の冷え込んだインフレ率を無視すると予想されている。日本銀行は、副総裁と総裁の指名により、金利水準とイールドカーブ・コントロールの即時変更を見送ったため、超低金利の金融政策をそのまま維持すると予想される。また、インドでは1月の鉱工業生産が発表される予定です。また、韓国とフィリピンでは2月のインフレ率が発表され、マレーシア中央銀行は政策金利を据え置くと予想されている。