香港ドルが再び安全資産に
最近、香港ドルは頻繁に保証の強弱をつけ、香港ドルの強弱を緩和するために香港当局が何度も香港ドルを売らなければならない事態が発生している。これまで香港ドル高は香港の株価を押し上げることが多かったが、最近の香港ドル高は中華人民共和国の通貨に対する市場の弱気な見方によるもので、株式市場に上昇力を与えることができないばかりか、売り圧力も強まっている。ここ数カ月の経済データを見ると、中国本土の景気は引き続き悪化しており、経済安定化のために中国人民銀行(はさらなる通貨安を容認すると市場は見ており、通貨切り下げ観測もあり、しばらくは通貨切り下げ基調が続く可能性があるだろう。香港への資金流入により、現地の銀行システムの残高はさらに増加する。 流動性が豊富なため、米国が月内に利上げを発表しても、香港は追随しない立場にあり、人民元巻き戻しの波が香港にもたらす恩恵は小さいかもしれない。
香港に流れ込む資金は、いずれ株式市場や不動産市場に流れ込むという見方もありますが、現時点では結論を出すのは難しい。現在の経済環境下では、香港の株式や現地の不動産への投資は多くのリスク要因を抱えている。 そのため、香港に入ってきた資金は銀行システムに滞留するだけで、本土経済が市場の信頼を取り戻したときに本土に戻る可能性が非常に高いと思われる。正直なところ、ホットマネーが株式市場に流入しても、必ずしも良いことばかりではなく、香港株の上昇がホットマネーの流入だけで、本当のファンダメンタルズに裏打ちされていなければ、ここ数ヶ月の香港株やA株のように、一時的に急騰しても大きく反落せざるを得ない可能性があるのだ。
これに先立ち、中国人民銀行の周小川総裁はG20で「人民元を長期的に切り下げる根拠はない」と発言し、一時的に人民元に対する市場の見方は安定するかもしれないが、人民元切り下げを反転させるには、まず大陸経済が安定化のシグナルを発しなければいけないとした。中国本土はすでに多くの景気浮揚策を導入しており、今後数カ月でその効果が見られない場合、人民元安への期待が高まる。