A株の安定化で景気浮揚の余地あり
中国本土の7月のCPIは前年同月比1.6%上昇、PPIは5.4%下落し、前者は9ヶ月ぶりの高水準、後者は5年半ぶりの大幅な下落となった。 CPIは9ヶ月ぶりの高水準となったが、豚肉価格の影響はさておき、本土におけるデフレは依然として脅威であり、PPIは世界的な商品価格の下落や内需不振により下落が続いており、下落リスクが後退する前にさらに下落する可能性がある。 物価統計に加え、貿易統計でも、7月の輸出が前年同月比8.9%減、輸入が同8.6%減となり、海外市場および国内の需要低迷を反映して、大陸経済の停滞が続いている。
現在の経済環境下では、中国本土はさらなる景気刺激策を導入する必要があり、中国人民銀行は金利や手当の引き下げを継続し、中央政府は各種政策の実施を加速させることが急務と思われまが、流れを変えるためには、中国銀行による「放水」や景気刺激策の導入だけに頼るのでは不十分だ。改革は困難な作業であり、どの程度効果があるか、いつ効果が出るかはわからない。 効果が出るまでは、中央政府は様々な手段で景気後退を食い止め、あるいは減速させなければならない。
ここ数ヶ月、A株市場の救済が中央政府の最重要課題となっており、市場救済のための努力に追われ、経済低迷に対する正しい処方箋を出す時間がなかった。A株市場が安定すれば、中央政府は経済活性化に注力することが期待される。これに先立ち、中国本土ではインフラ整備を支援するために1兆元の特別金融債券が発売され、第4四半期には「第13次インターネット5カ年計画」が発表されると伝えられており、いずれも中央政府が徐々に経済発展に重点を置いていることを示している。6月と7月のA株の暴落が繰り返されない限り、中央政府はさらなる景気刺激策を打ち出すと予想される。