上海総合指数がわずか3週間で約30%も下落
わずか数週間で、上海総合指数は高値から30%も急落した。 株式市場の急落を前に、中国証券監督管理委員会(CSRC)は数日前から市場救済の動きを見せており、複数の学者が中央政府に市場参入して商品を買い入れるよう求める署名活動まで行っている。2015年6月12日に5,166.35ポイント年初来59.7%高で2013年末比144.2%となっている。
今後、A株市場の下落が止まったとしても、A株市場が以前の強さに戻ることはしばらく難しい。 なぜなら、株式市場の暴落によって大量の「蟹民」(塩漬け株を抱えて身動きが取れない投資家を、縄に縛られて売られている蟹に例えられている)が誕生したと思われ、株式市場が上昇するたびに「蟹民」が「縄を解く」の機会をうかがい、今後のA株市場のパフォーマンスには限界があるためである。
A株の暴落について、証監会による金融2社の規制強化を非難する声がある。
確かにデレバレッジはA株の暴落の原因の一つではあるが、筆者は、株式市場の上昇トレンドに経済が追いつかないことが問題の核心であると考えている。A株の上昇波は、昨年11月の中国銀行の利下げに始まり、官製メディアの度重なる賞賛のもと、株価の上昇に歯止めがかからなくなった。ファンダメンタルズの裏付けがない中で、A株ラリーはやがてバブル問題を引き起こし、中でもGEMのバブル問題は深刻であった。株式市場の短期的なパフォーマンスはファンダメンタルズと逆行することもあるが、長期的なトレンドは常にファンダメンタルズに支えられる必要があり、上昇後のA株の暴落はバリュエーションを適正水準に戻すプロセスに過ぎないのである。