イングランド銀行は早期テーパリング
来週は米国と英国で重要なインフレレポートが発表され、投資家は経済成長の減速の中で最近の物価上昇圧力が弱まる兆しを見せるかどうかを見極めたい。その他、米国と中国からは小売売上高と鉱工業生産、英国とオーストラリアからは雇用統計が重要なデータとして発表される。
米国では、経済データの面では比較的忙しい週となりそうだ。8月の消費者物価指数では、インフレ率が7月の13年ぶりの高水準となった5.4%から緩やかに減速することが予想される。投資家は、FRBのテーパリングのペースに影響を与える可能性のあるインフレ圧力の高まりの兆候に特に注意を払うことになる。
アジア太平洋地域では、中国の鉱工業生産と小売業、固定資産投資、住宅価格が注目される。世界第2位の経済大国である中国の景気回復のペースが鈍化していることを示す新たな兆候として、8月には生産高と国内貿易の伸びがさらに鈍化した可能性が高い。日本では機械受注、貿易収支、生産者物価、産業活動指数が発表される。
英国の消費者物価は8月に2.9%上昇し、2018年1月以来最大の上昇率となった可能性が高く、Covid-19からの景気回復が鈍化しても、インフレ上昇とイングランド銀行による早期テーパリングに対する懸念が高まっている。