人民銀行、預金準備率を1%引き下げ
人民銀行は4月20日から預金準備率を1ポイント引き下げた。2月以来2回目であり、今回は下げ幅も大きくなっている。これにより1兆元以上の資金が放出されると予想される。これは、本土経済の下降圧力が予想以上に強いことを反映しており、中央政府は経済活性化のための努力を強化する必要があるということだ。
預金金利の引き下げ後、過去30年間の平均値である14%を4.5ポイント上回る18.5%まで低下し引き下げる余地は依然とあるものの、景気が上向く前に緩和的な金融環境を維持することが必要でる。利下げ、金利引き下げが効果を発揮するかどうかは、放出された流動性が実体経済に流れるかどうかにかかっている。
今年の第1四半期、本土での新規融資は予想を上回ったが、同時期の経済は予想ほど好調ではなかったため、銀行融資が実体経済に流れず、株式投機に使われているのではないかという疑念が生じていた。ここ数ヶ月、A株は大きな利益を積み重ねてきたが、経済のダウントレンドが変わらない中で、A株の評価は次第に不合理になってきくる。
これまでの常識では、株式市場は長期的には経済の動きに追随できないとされてきたが、今後数ヶ月間、中国本土の経済が回復しなければ、A株バブルが崩壊し、株式市場に流入した融資の一部が不良債権化する可能性がある。株式市場の上昇は、本土経済にとってメリットがあるが、お金が株式市場に流れ込むだけの現象に、当局は対応する必要があるだろう。
上海株式市場の売買高は1日で1兆元を超えたほか、ここ数ヶ月のA株、香港株の上昇はホットマネーによるもので、市場に入ってくる資金が少なくなれば、短期間で勢いを失う可能性があるので注意が必要。