中国人民銀行、預金準備率と基準金利を引き下げ
中国人民銀行は、昨年11月の利下げに続き最近再び利下げを行った。今回の利下げは2014年11月以来、3ヶ月余りで2度目となる。今回の金融緩和局面では、昨年11月の人民元預金・貸出基準金利の引下げ、今年2月の人民元預金準備率引下げに次ぐ緩和措置となる。
本土経済の下降圧力が予想以上に大きいことを示している。
利下げは銀行の流動性を高めることができるが、信用需要が弱ければ資金が殺到するだけで、実体経済を安定させる効果はあまりないと言えよう。 一方、金利引き下げは、企業と負債を抱える個人の両方にメリットがあるため、より経済を活性化させることができる。
今回の利下げで、香港や中国の株式市場が前回に比べて急激に上昇しなかったことを残念に思う投資家もいるかもしれないが、実際、市場では旧正月前後に利下げを行うと予想されていたため、利下げが株式市場の急上昇を促すことができなかったのは当然のことである。さらに、どのような施策も効果が現れるまでには時間がかかり、今回の利下げが経済の安定化に効果的であるかどうかはまだ不透明であるため、経済データが安定化のシグナルを出すまでは、当面は市場から遠ざかることを選択する投資家もいるかもしれない。第1回目の利下げに比べて、第2回目の利下げ後の株式市場のパフォーマンスは著しく合理的であった。
北京では毎年恒例の「二会」が開催されており、投資家は中央政府が景気刺激策を導入するかどうかを懸念している。環境保護と新エネルギー、水利関連の銘柄は「2つのセッション」の関連銘柄となっている。ただし、2013年3月にHSIが700ポイント以上、2014年3月に600ポイント以上下落したように「2つのセッション」の後に香港株が必ずしも上昇するわけではないことに注意が必要だ。
以上のような数字を見ると「二会」後に株式市場が改善する可能性が高いと考えている投資家は、失望して帰ってくる可能性が高い。今後出てくる政策やコメントに新たなサプライズがなければ、投資家は新しいアイデアがないことを理由に売り抜けてしまうかもしれないだろう。