原油価格の急落に米国と日本は好感
ルーブルの為替レートを守るために、ロシアの中央銀行は金利を急激に引き上げた。
原油価格の下落が続く中、市場ではロシアがいずれ債務不履行に陥るのではないかと懸念されている。新興国の一つであるロシアでは、ルーブルが急激に下落し、新興国での金融危機の再来を懸念する声が高まり、その不安感からここ数日、一部の新興国の通貨や株式市場が大きく下落、アジア金融危機以降、新興市場諸国は全般的に財政改善に取り組んでおり、ほとんどの国が10年以上前に比べて財政状態が改善かれえちるが、資本が大量に流出し、資産価格が急落しない限り、金融危機が再発する可能性は現段階では低いと考えらる。しかし、原油価格の下落に伴う不安は、世界の金融市場を揺るがすほどのものだ。
原油価格の急落には、複雑な政治的要因が絡んでいる可能性がある。ロシアと西側陣営はウクライナを巡って対立しており、原油価格の低迷は西側がロシアを懲らしめる手段の一つであると考えられる。原油価格の急落には、ロシアのほか、米国の量的緩和終了や急激な円安も関係している可能性がある。
米国は債券購入プログラムを全面的に終了し、年内に利上げを行う可能性が高く米国の金利がひとたび上昇すれば、資金調達コストが上昇するが、原油価格の下落は、金利上昇の影響を和らげる可能性がある。
一部の企業にとって、原油価格の下落はFRBが金利を引き下げることに相当すると看る。日本では、急激な円安により輸入品の価格が上昇し、消費税率の上昇と相まって、国民の生活負担がますます重くなっているほか日本で使用されているエネルギーは輸入に大きく依存しており、原油価格の急落により輸入原油のコストが下がり、日本国民の生活を圧迫することがなくなってくる。
米国と日本は同じサイドに立っており自分たちの利益を考えれば、原油価格の下落は害よりも益の方が大きいので、日米がさらなる原油価格の下落を好感する可能性は大いにある。