Brexit後の貿易協定
世界各地のコロナウイルスの状況がニュースの中心となるなかBrexit後の貿易協定に関する交渉も注目されている。来週にはユーロ圏とブラジル、カナダの金融政策決定会合や、日本とユーロ圏、英国、ロシア、南アフリカのGDPの発表が注目されている。その他の重要な米国と中国のインフレ率、米国とオーストラリアの消費者マインド、英国と中国の外国貿易、ドイツとインドの鉱工業生産、日本の経常収支と機械受注のデータの発表がある。
米国では、11月の消費者物価指数は、コロナウイルス問題の影響で需要が低迷していることから、インフレ率は9月の半年ぶりの高水準からさらに低下し、FRB/米連邦準備制度理事会の目標である2%を大幅に下回ると思われる。また、12月のミシガン州の消費者心理の速報値は、COVID-19の患者数の増加や国内での新たな規制措置を背景に、モラルが若干悪化することが予想される。
カナダとブラジルの中央銀行が水曜日に開く会合で、おそらく金利を過去最低水準に維持。カナダのIvey PMI、メキシコのインフレ率と工業生産高、ブラジルの小売業と消費者物価などの発表がある。
EUと英国がブレグジット後の貿易交渉を続けており、双方の政府関係者は交渉の進捗状況について複雑化している。交渉官は漁業と企業への国家支援、紛争解決のためのルールなどの違いで行き詰まっている。一方、英国立統計局/ONSは月次GDPに加え鉱工業生産と建設業生産、貿易収支を発表し、Halifaxは住宅価格指数を発表する予定。
また、欧州では、ECBが最新の金融政策決定を行い、投資家は、パンデミック債の買い入れプログラムを6ヶ月間延長し、景気刺激策の規模を拡大すると予想している。9ヶ月または12ヶ月への延長や、債券購入プログラムの規模の拡大は、市場のサポート材料となるだろう。経済カレンダーでは、ユーロ圏の第3四半期GDPおよび雇用統計の最終推計値、ドイツの鉱工業生産高、外国貿易、投資家の士気、フランス、スペイン、イタリアの鉱工業生産高、オランダ、スウェーデン、アイルランドのインフレ率、ロシアの第3四半期GDP最終推計値、スイスとトルコの失業率などが注目される。
アジアでは、中国の11月の消費者物価と生産者物価が発表される。マーケットはインフレ率が2009年以来の低水準に減速し、生産者のデフレはおそらく若干緩和されると見ている。また、11月の貿易統計は、パンデミック後の景気回復の状況を示すもので、輸出入ともに大幅に増加すると見られている。
日本では第3四半期のGDPと経常収支、機械受注、家計支出、生産者物価、ロイター短観、エコ・ウォッチャー調査などが主要な指標となる。オーストラリアでは、NABの景況感とウェストパックの消費者信頼感、Aiグループのサービス指数、第3四半期の住宅価格などが注目される。