ギリシャ債務、再び支援
マラソンのような13時間にも及ぶ会議を経て、EUは第二段、総額1,300億ユーロのギリシャ向け支援で合意し、ギリシャとしては、ほっと胸をなでおろしたところだろうか。
ひとつ峠を越えましたが、これをもってギリシャ問題が過去のものとなったかとはいえず、EUの支援条件およびギリシャの経済状況をかんがみると、将来大きな危機に面しEUなどの組織の援助が再び必要になることは十二分に考えらる。ヨーロッパの信用不安は依然として終わっておらず、最悪の危機は脱したと言うには時期早々な感がある。
4月のギリシャ総選挙に際し、有権者の支持を得ようとするあまり、緊縮財政路線を否定することを排除できない。言い換えると、現在の政府が制定した緊縮財政の道筋を政権を握った次期政府にとって実効不能に陥るおそれがあるということだ。
大衆のための政治家にしてみれば、緊縮政策を実行するとは自殺行為に等しく、とりわけ選挙を向かえる年には、緊縮の二文字はタブーとなりやすいはずで、故に4月の選挙後に合意された財政予算協定がギリシャの財政問題として、再び表面化し得るかもしれない。
IMFの債務削減目標によると、ギリシャは2020年までに累積債務残高の対GDP比を120%にまで削減することが求められるましたが、欧州当局がとりまとめた報告では、ギリシャデフォルトとは言わなくとも債務が2020年までに対国内総生産(GDP)比で160%となる最悪のシナリオも明らかにし、EUはギリシャの大幅な財政状況の改善に対し、実は懐疑的で信用していないことが見てとれる。現在、不況に見舞われギリシャにとって、唯一、財政赤字の削減速度がGDPの落ち込み幅より加速させるとによって、はじめて、債務のGDP比の比率を下げられる。
その支援会議上、EUはギリシャ政府の余剰分も真っ先に債務の返済にあて、増税などを含んだ「厳格」な条件を突きつけました。しかし、不況に突入している政府の税収が財政黒字を達成すするに足りるとは到底思えない。
この観点からも、支援方案条項がEUの主観的な希望や願望を表しているに過ぎず、ギリシャの根本的な現況を考慮しているものでは決してない。EUへの過度依存によってギリシャは財政自主権を失ってしまいましたが、ギリシャは将来ヨーロッパ諸国間で政治および経済的な緊張をさらに悪化させる経済的負担であり続ける。