HSBC香港には多少の資金を預け入れているので、「当分入金する必要がないと」と思っていたのに急に送金が必要になった。
そのような場合、地方銀行では海外送金を扱っていない場合もあり、ゆうちょ銀行での米ドル建ての海外送金が最も手軽であるためお勧めしています。銀行は駅前とかでないと見当たりませんが、郵便局なら近所に必ずあるものです。

ゆうちょ銀行から口座間、口座宛て送金　Japan Post Bank

ゆうちょ銀行の最大の強みは、なんといっても津々浦々に広がるネットワークでしょう。セブン銀行のように「あらかじめ口座開設や会員登録するのは面倒」、「郵便貯金しか口座をもっていない」このような方は、「ゆうちよ銀行の国際送金サービス」を利用することになります。
ゆうちょ銀行が提供する国際送金サービスには、「銀行口座あて送金」と「住所あて送金」の２種類が用意されており、その「銀行口座あて送金」がいわゆる海外への電信送金(海外送金)に該当するサービスで、HSBC香港への入金に利用することになります。
また、その「銀行口座あて送金」には、口座間送金(電信振替)、口座あて送金(払込為替)があります。

口座間と口座あての送金の比較

	口座間送金(電信振替)	口座あて送金(払込為替)
概要	ゆうちょ銀行の口座を持っている場合は、口座から直接送金	口座を持っていない場合に、現金を持ち込み送金
送金用紙	国際郵便振替請求書	国際送金請求書兼告知書
必要なもの	ATMキャッシュカードや通帳、身分証明書、届印	現金、身分証明書、マイナンバーカード、認印
メリット	自分の口座から送金するので、送金元がはっきり判明	第三者に現金を預けて送金ができるのでプライバシーが保護

ゆうちょ銀行の送金依頼書の書き方　TT Form

①　送金種類/Transer：　銀行口座あて送金to Bankaccountを選択します。
②　受取人/Payee：　自分の口座へ送金することになるので、ここで記入する住所はお住まいの国である、日本のものを記入します。口座番号/Account numberにはHSBC香港のATMキャッシュカードの１２桁の数字が、自身の口座番号となります。
③　銀行口座あて送金場合：　受け取り銀行/Banknameには、HSBCのフルネームであるとマス目がないので、略称の「HSBC Hong Kong」と記載します。支店名/Branchには口座番号の最初の３桁でHSBC側も確認できるので本店名の「Hong Kong Office」で大丈夫です。銀行住所･国名/Bank address･countryには、本店の住所である「1 Queen’s Road Central, Hong Kong SAR」と記載します。銀行コード/Bank CodeにはHSBC香港のスイフトコードである「HSBC HK HH」と記入します。
④　差出人/Remitter：　差出人口座番号/Accont numberには、ゆうちょ銀行の口座番号を、おなまえ/Nameにはゆうちょ銀行の口座名義人の名前を英字で記入します。おとろこも/Adressは日本の住所となります。連絡先/Telephone numberには日本の国番号である81を加えて最初の0番を除き記載するとよいでしょう。
⑤　通貨コード/Currency code(ISO Standard)：　ゆうちょ銀行の香港向けのTTは米ドルだけしか対応していないので「USD」と記入するほかありません。
⑥　送金金額/Amount：　画像ではゆうちょ銀行の一回の送金限度額である５万米ドルを記載しています。
⑦　外国為替及び外国貿易法に基づく許可等/License in accordance with the Foreign Exchange and Foreign Trade Law：　画像のように☑をいれます。
⑧　送金目的/Purpose of remittance：　自己名義の口座への送金となるので「預金」と記入するほかありません。

ゆうちょ銀行の手数料　Charges

1. 海外送金手数料2,500円
2. 為替手数料
   送金日の国際郵便為替レートで換算

送金金額が100米ドル以上の場合は、2,500円の送金手数料の他に通常10米ドルの仲介手数料が送金金額から差し引かれます。また、受取銀行であるHSBC香港で、受取手数料である60香港ドルが発生します。また、ゆうちょ銀行では、送金人である自分負担にすることはできないので、HSBC香港で発生する受取手数料は送金金額から差し引かれるので注意してください。また、ゆうちょ銀行以外で発生する海外の金融機関の手数料や仲介手数料等については窓口でも金額は把握されておらず、教えてくれないので通常少し多めに送金することになります。

海外送金につき手数料例　Examples TT charges

弊社の実績では、ゆうちょ銀行で両替為替手数料および海外送金手数料、2,500円を現金で支払い、送金金額1,205米ドルを送金すると、手数料総額18.4米ドルが、差し引かれて1,186.60米ドルの元金がHSBC香港の米ドル口座に入金されることになります。ですので、必要な金額のおよそ100米ドル分を余裕をもって送金すればよいでしょう。

ゆうちょ銀行で海外送金するメリットとデメリット

ゆうちょ銀行の海外送金のメリットは、なんといってもその割安な送金手数料です。

1. 割安な送金手数料
2. 全国に広がる郵便局のネットワークは、アクセスが便利
3. 事前登録や口座がなくても手軽に送金できる

他の市中銀行が3,500円～6,000円であるのと比べて、2,500円と割安な料金設定となっています。地方の銀行であると海外送金に対応していなかったから不慣れな場合があります。そこで、全国各地で同じレベルのサービスを提供しているゆうちょ銀行や一部の郵便局は、海外送金に利用しやすいかと思います。
デメリットとしては、インターネットバンキングがなく窓口に直接、足を運ばなくてはならないほか、香港むけの通貨は香港ドルではなく、米ドル建てしか送金できません。１枚の用紙で申し込みできる金額の上限は５万米ドルが限度となり、それを以上の金額を送金する場合は、もう１枚用紙を記入しなければいけない煩わしがあります。
また、ゆうちょ銀行の為替レートである「国際郵便為替レート」で否応なしに、その当日米ドルに両替しないといけないことになります。このゆうちょ銀行の国際送金に適用される為替レートは、毎営業日午前11時に変更となり、換算レートはゆうちょ銀行または国際送金取扱郵便局の貯金窓口で確認できます。その他のデメリットとしては送金にかかる時間が4～6日程度と、他の銀行と比べ着金にかかる時間が多くなります。