一般投資家のリスク管理の原則を論じましたが、金融仲介機関の視点のおけるリスク管理のプロセスを論じます。リスク管理のプロセスは一般的に四つの順序によって順次進められます。リスクの確定(Identifying)、リスクの測定(Measuring)、リスクのマネージング(Managing)、リスクの監視 (Monitoring)となります。
投資に投入できるリソースには限りがあり、洗い出したリスクのすべてに対処することは不可能です。そこでリスクの絞り込みを行っていきます。それをリスクの確定(Identifying)と言います。
ぼんやりとしたリスクも数値によって大小を測定することができれば、優先順位を決めて対処することができます。それをリスク測定(Measuring Risk)と言います。
リスクの優先順位を可視化できた後には、それを適当な管理者に権限を持たせてマネージメントさせなければなれません。それを、リスクのマネージング(Managing Risk)と言います。
リスクの管理者が決定できた後に適切な方法で継続的にモニタリング(監視)することになります。

ちょっと一息-投資ファンドと宗教

ここ香港にはフィリピン、インドネシアやマレーシアからの移民がたくさん生活を営んでいます。そんなわけで、週末にはイスラム寺院や公園にたくさんの献身なイスラム教徒(Islam)の宗教的行事や習慣を肌で感じことができます。

みなさんにとって、コーラン(Coran)は非常に有名ですが、シャーリア(Sharia)という単語を聞いたことがあるでしょうか。
イスラーム教における宗教に基づく法体系のことを指していますが、例えば、近年、成長著しい東南アジアのマレーシア、天然資源の価格の高騰で世界のおカネを集める湾岸諸国、最新のSNSを使ったジャスミン革命でニュースとなったチュニジアなどなど、これらの国にはイスラム教(Islam)を信仰する国(世界の人口の4分の1を占めるイスラム教徒)となります。
政教分立原則(Separation of church and state)と異なり、宗教によって定められる法体系であるそのシャーリア(Sharia)は、宗教的規定にとどまらず民法、刑法、訴訟法、行政法などに及びます。

イスラム教の国においてはコーラン(Coran)とシャリーア(Sharia)と呼ばれるイスラム法に基づいて厳格に社会生活が営まれています。この中では、おカネを貸し付けることで金利をとることは基本的に認められていないということは有名です。しかしながら、イスラムの預言者であるマホメット(Muhammad)はもともとビジネスマンであったこともあり、商業取引自体に決して否定的なものではありませんでした。そのシャリーア(Sharia)では、金利は禁止されているものの、ムラバハ(Murabaha)と呼ばれる商品介在や、イスティーナやイジャーラ等その他にもいくつかの金融取引の類型が定められています。

ほかにも投資損益分配型の取引としてムダラバ(Mudaraba)(資金の出し手と資金の受け手である事業主体とが事業から生ずる収益を一定の比率で按分することを定めた契約)やムシャラカ(Musharaka)(Mudarabaと類似しているが事業主体も出資を行う)等の取引形態や組合制度があります。これらが中世ヨーロッパ世界に、当時先進国の進んだ取引としてコピーされ、イタリア都市国家でコメンダ(Commenda)という組合企業となり、株式会社、ひいては現代の投資ファンド(Investment Funds)の源流になったと言われています。

人によっては命の次に大事なものはおカネになる方が多いと思います。その命のようなおカネを預けれるファンドマネージャーは、やはり神ががり的な人ということでしょうか。