投資家の誰もが、市場の最低値(Market’s Bottom)でエントリーできることを夢見ます(Investor’s Dream)が、市場がいつ底かは結局、誰にもわかりませんよね。
反対にみなさんもよく市場の最高値(Top of the Market)で株などを買ってしまい損をしてしまった多くの人をご存じかと思います。投資家は誰もがみな、安く(低く)買って、高く売りたいのです(Investors want to buy low and sell high but turn out to buy high and sell low)。

ドルコスト平均法とは

投資家がドルコスト平均法(Dollar Cost Averaging)のテクニックを利用すると不適正な時に全てのおカネを市場に投入することを避けることができます。投資家は一定期間に定額のお金を投資(Investing a fixed sum of money at fixed intervals of time)することで実践します。例えば、ある投資家がHKD150,000をA株に投資したいが、適切なエントリー時期かは断定できない場合、その人が資本を5等分し、1つがHKD30,000とし、その後、毎月HKD30,000のA株を購入する。以下はその人の取引記録を表にまとめました。

日期(Date) 市場価格(Market Price) 購入数(No. of share Bought)
1月15日 HKD50 600
2月15日 HKD60 500
3月15日 HKD40 750
4月15日 HKD25 1,200
5月15日 HKD50 600
購入した株式総数(Total no. of shares bought) 3,650株
1株当たり平均価格(Average cost per share) HKD41.10

上の表からA株価は変動を経て元々の価格水準である50HKDに戻っていることが見てとれるますね。投資家は結局41.10HKDの平均価格(Average Price)を以ってポートフォリオを構築できました。理由は投資家が一定額の投資を利用し、株価が低い時に多く株式を購入し、高い時には少なくなるため平均コストが下がったからです。

価格が低いときには多くの口数を購入し、高いときには少ない口数を購入することになり、結果的に平均購入単価をならす効果が期待できます。また、買うタイミングによって起こりうる失敗を小さくできるため、リタイヤ後の大切な糧を一気に失うようなリスクを回避することにもつながります。相場動向は予測することは非常に困難ですが、最悪の事態を避けるための備えは可能です。

少し骨休め-積立式ファンドは本当にお勧めか

世界経済が低迷しているなか資金が依然としてファンドに流入してきています。

ここ数年、円高とファンド自体から受けるリターン(収益率)の急落をうけ、買い取りを請求した投資家が無数に及んでいると思います。しかし、積立投資は長期に渡り収益をあげるものだと理解し、今も一定の額を積立投資する投資家も多いのも確かです。

長期、アセット分散、積立の方法による投資は黄金比率であると、一般的に言われているとおり、投資の原則にあげられます。この中で長期、アセット分散投資と異なり、一定の額の積立てる投資方法は基本的に多数のファンドマネージャーから推薦される投資方法であります。以下、積立投資に対して肯定的な意見やメリット、デメリットをまとめます。

積立投資の方法は株価やファンドの価格や為替の上げ下げによって短期で売却するのではなく、毎月なり半年なり同じ額を投資する方法です。同額を投資すると株価が落ちる局面(ここでは、株式に投資するファンドを前提)にはかえって多数の口数(ユニット数)を購入することができ、株価が上がる局面には反対に購入口数は減ってしまいます。例をあげると、2012年にファンド価格が1ユニット:1千円の場合、毎月1万円を投資した投資家であると10ユニットを購入することができます。一方、株価が落ちるのに伴い、次の月には1ユニット:500円に下がれば投資家は20ユニットを購入することになります。このように、我慢強く積立てれば投資家は、投資期間の平均株価より安く投資ができますが、これをコスト平均法(Cost Averaging)効果、通貨をドル基準で考えてドル・コスト平均法(DCA; Dollar cost averaging)とも呼ばれています。

上の事例では500円まで下落した株価がさらに800円に反発した場合。この場合、はじめの時期に1千円で証券に直接投資した人ならマイナス20%の損失を被っていますが、積立投資の場合、下落した際にも購入した経緯があるために利益を出すことができます。コスト平均法を通じて、継続して同額を投資したため収益をあげれた訳であります。しかし、積立投資がいかなる時も万能というわけではなく、積立て投資信託(ファンド)の弱点、デメリットも理解しておく必要もあります。

ITバブル崩壊後の2003年4月に日経平均株価は反転し、2007年7月に最高値をつけていますが、特に2005年7月1日から2007年6月1日の2年間は株価は大幅な拡大がありました。次のグラフは、その期間をもとに一括投資と積立投資の投資収益率(ROE)を比較したチャートとなります。積立式投資の場合は、株価が継続的に上昇するときには、収益率をかえって引き下げることになります。これは、上昇トレンドの際にも時期をずらし分けて購入するため、コスト平均法がかえって最終(直近)の投資収益率を、引き下げる効果を発揮してしまいました。つまり、積立方式の株式投資ファンドは、下落も上昇(リスクもリターン)も吸収してしまい、そのリスクを分散する結果、安定するにせよ、大幅な上昇局面では最大上昇分の収益率を圧縮することになってしまいます。
この期間、日経平均株価は¥11,900から¥18,138へ上昇しましたが、仮に2005年7月1日の時点で一括投資、積立投資を始めた両者を比較した場合、積立は投資収益率(ROE)は12パーセントにとどまりますが、一括は株価と完全に連動するため52パーセントの収益率となり、その差は40%となります。
積立式であると必ず高い収益が無条件に保障されるという誤認に気づくかと思います。

それにも関らず、積立ファンドが魅力的に商品に見えるのは、一括投資より投資家の損失に対する恐怖を軽減するからに他なりません。損失の幅が少ないということは、投資家の損失に対する恐怖が大きいために、一度、投資し損失を被るかもしれないといった心情的な負担から遠ざけることになります。

そのほか積立ファンドに対してたくさんの人が初歩的な誤解をしていることに、銀行の窓口で肯定的なファンドに対する話をたくさん聞くためか、積立投資信託に対する誤解のなかで最も多いのが、定期預金のような商品と信じている人であります。毎月なり一定の額を支払う積立定期預金と支払方法は似ていますがが、リターンも、リスクもまったく異なる商品となります。積立には必ず満期があるので、誤解を招きやすい一因となっているようです。