現在、国家を一括りとする国民経済を基本とするこれまでの枠組みは、国境を越えたモノ、カネ、ヒト、情報などの基礎的な生産要素や財が頻繁に移動して内外の境目のない経済のボーダーレス化が急速に進行しだした結果、著しく弱体化し、変質してきている。グローバル経済とはこうした新しい事態を指していうが、これらの様相を分析対象とし、その構造とダイナミックな運動を理論的、実態的に明らかにし、あるべき指針を提示しようとするのが、現代の世界経済論、あるいは「グローバル経済学」の課題である。

さて経済のボーダーレス化の主役は国境を越えた企業活動の展開にあり、それは、普通は多国籍企業と呼ばれる、複数国に拠点を持ち、海外子会社を通じた統合的な生産を行い、ブランド名を利用して世界大で販売活動を展開している超巨大企業が中心になっている。